『常微分方程式』 ポントリャーギン

こんな風に考えたことはないだろうか。

数学の啓蒙書を読んで、
「なんだこれは、本質的なことが何も書かれてない上に、手におえない過剰な賛辞が山のようだ。
神の方程式?神との対話?冗談じゃない!こちとら神とお話してる暇なんてないんだよ!
(嗚呼、テストどうしよう…)」

数学書を読んで、
「ふむふむなるほど、そうか、そんな簡単なことか!分かったぞ!ユリーカ!
あぁ数学って素晴らしい。でも、これを分かるまでに3週間も使ってしまった。
(嗚呼、テストどうしよう…)」

やがて形成される願望、
「もっと分かりやすい本があれば…。いや、分かりやすい本なんていらない!
そもそも数学的記述こそが最も分かりやすいんだ。
つらつら駄文を重ねて分かりやすいとする「分かりやすい詐欺」にはうんざりだ!
ただ、願わくばもっと『入りやすい本』があれば、
厳密さや一般性を損なうことなく、しかもその数学の世界に自然に入っていけるような、そんな本が…
(あればテストも安心なのに…)」

そんな願いをかなえる本が、実はある。
常微分方程式を勉強しようという方は是非。

この章ではまず、常微分方程式系とはなにか、その解とはなにか、解はいくつあるか、ということがらを中心にこれから学ぶ諸概念について説明する。
解の個数に関する問題は存在と一意性の定理によって解明されるが、この定理は本章では説明しない。この定理および他の同じような型の定理の証明は第4章で与えることにする。しかし、本章ではこれらの定理をたびたび使用して、その意味を明らかにする。(p1.「序論」より)

ポントリャーギン 常微分方程式 新版

ポントリャーギン 常微分方程式 新版

[目次]

  1. 序論
  2. 定係数の線形方程式
  3. 変係数の線形方程式
  4. 存在定理
  5. 安定性
  6. 線形代数