『物理数学の直観的方法』 長沼 伸一郎
大学数学を学び始めると、
定理のもっている「意味」や「図学」を考えることを、
厳しく諌められることがある。
そんなものは証明ではないと。
たしかに証明ではないが、
図学や直観的理解は役に立つ。
定理は確実に覚えなければ使えないが、
強固な記憶を作るには、
どこかで直観的にとらえたイメージを持つことが役に立つのだ。
なるほど厳密さというものを無視したならば、数学の体系がどれほどぼろぼろになってしまうかは容易に想像がつく。しかしながら数学とは本来道具なのであって、そうであればこそ理工系の必修科目になっているのである。もちろん純粋数学の価値を認めないわけではないが、道具としての使い勝手を忘れては本末転倒である。
物理数学の直観的方法―理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬〈普及版〉 (ブルーバックス)
- 作者: 長沼伸一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/21
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