『愛の解剖学』 カール・グラマー

自分の感情に従いながら、
感情の重みの分だけ相手を喜ばせようと思って選択した
行動が、メッセージが、
全て裏目に出てしまった経験はないだろうか。

若かった頃、そうして終わった恋が
一つ二つないだろうか。

その度に、必要なのはもっと相手を読む技術だと学んでいく。

表情に、振る舞いに、言葉に注力し、
自分の中にある一切の不安も疑念も掻き消して、
ひたすら相手にとって必要な感情を注ぎ込む技術を習得していく。

成功経験がある程度増えてくると、
全ての関係が確率的なものとして認識されてくる。

大きな失望もないが、
大きな満足もなくなっていく。

そうして原点に戻り、
「深い関係」とは何だろうと心から問うようになる。
感情とは何か、愛とは何か、満足とは何かと問うことになる。

行為をする側の人は、自分の当の目的ができるだけ長く相手に悟られないで、自分の意図が自分の思う通りに解釈されるように、行動しなければならない。

愛の解剖学

愛の解剖学

[目次]

  1. 危険な情事
  2. 男女の闘争
  3. リスクのないものはない―差し引き計算、決断、実行
  4. なじかは知らねど―コミュニケーションの基盤
  5. パートナーの市場価値―探索像
  6. 鏡よ鏡―美しさとエロティックな魅力の発散
  7. コミュニケーションは「操作」だ―嘘、偽装、裏切り
  8. 色目づかいの解剖学
  9. パートナー選び―希望と現実
  10. 女性の手練手管と男性のトリック
  11. 生物学の掟