『天職は寝て待て』 山口 周

「大人になったら分かるよ」「結婚したら分かるよ」

そして

「就職したら分かるよ」


子供のころ飽きるほど聞いてきた大人たちのこの様なフレーズに

何度となく言いくるめられてきたことか。

釈然としないまま時が経ち、

大人たちの怠慢か説明能力の欠如だと思っていたおなじみのフレーズも、

当然の様に受け入れるようになっていった。



畳の上で泳ぎ方を練習するような、自らの幼い想像を懐かしみながら。



しかし転職論とはこのような「大人詐欺」に挑み続ける営みである。

つまり、「転機」というのは単に「何かが始まる」ということではなく、むしろ「何かが終わる」時期なのだ、ということです。逆に「何かが終わる」ことで初めて「何かが始まる」とも言えるのです。ところが、多くの人は、後者の「開始」ばかりに注目していて、いったい何が終わったのか、何を終わらせるのかという「終焉の問い」にしっかりと向き合っていません。

天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論 (光文社新書)

天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論 (光文社新書)

[目次]

  1. 転職は、なすべきか、なさざるべきか
  2. 従来の転職の「方法論」の問題
  3. いい偶然を呼び込むには?
  4. 「攻め」の転職と「逃げ」の転職
  5. エモーショナル・サイクル・カーブへの対処