『採用基準』 伊賀 泰代

自己啓発系のビジネス書を読むといつも思うことがある。


論理力、コミュ力、分析力、その他幾千の「○○力」が大切なことはよく分かった。

著者の周りの偉人伝もそれなりに楽しかった。


でも、


薄給の上、残業代もボーナスもない中小零細企業で、

終電、タクシー帰りは当たり前、

人格的にも能力的にもどうしようもない上司に傷害スレスレの精神攻撃を受けながら、

それでもそこに残るしか選択肢のないような状況で、

役に立つような「○○力」って、


きっとコレじゃない。



そんなものを安易なキーワードに求めることが、

高望みかつ視点がずれているのは分かるが、

自己啓発系の著者にはそれくらいの密度を目指して欲しいと、

いつも思ってしまう。

どんな場合でも、他者を巻き込んで現状を変えていこうと思えば、必ずリーダーシップが必要になります。世の中には、「どうすればいいのか、みんなわかっているが、誰も何もやろうとしないために、解決できないまま放置されている問題」が溢れています。反対に、「答えさえわかればすぐに解決できるのだが、その答えが見つからない」のは、技術的な問題など、人や組織が絡まない問題だけです。自分の言動を変えるのは自分一人でできるけれど、自分以外の人の言動は、リーダーシップなくしては変えられないのです。

採用基準

採用基準

[目次]

  1. マッキンゼーの採用マネージャーとして
  2. 誤解される採用基準
  3. 採用したいのは将来のリーダー
  4. さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
  5. リーダーがなすべき四つのタスク
  6. マッキンゼー流リーダーシップの学び方
  7. リーダー不足に関する認識不足
  8. すべて人に求められるリーダーシップ
  9. リーダーシップで人生のコントロールを握る